原語から見える聖書のイメージ

岩波新書「アラビアのロレンス」雑感~サティを聴きながら

岩波新書「アラビアのロレンス」中野好夫著を読みました
ここまで破天荒な人物がいたんだと驚きの連続
ロレンス自身がまた別の人格を使い分ける若い晩年も痛ましくもあり
かつスピードに生きる基本姿勢は同じであったりして
「知恵の7柱」はきっと面白いでしょうね

熱中症でへろへろになりそうな毎日
危険な水準で昨日も氷バッグを首にあててなんとか真昼に帰り着きましたが
ロレンスが活躍した砂漠を思うと想像を絶します

「・・ラクダさえ斃れてしまうことも珍しくない。
ロレンス自身もふたたび熱病に倒れた。
・・・だが原始人的な彼の肉体的強靭さ、たとえば水のある場所で、
口まで溢れるほど飲だめすると、
あと数日はほとん一滴の水なしで堪えることができたとか、・・・」
86ページ

アラブ人が彼のためには死んでもいいというくらい心服させるほどの
信頼感をえた実行力と人心掌握術は凄いですよね

ところが彼はサウジアラビア建国のイヴン・サウドを正しく評価できなかったところが
これまた歴史の皮肉でとっても興味深いところ
183ページから184ページ

熱中症は暑さだけではなく、物事に熱中するあまり心理的にも視野を狭くする危険があるようです

これではロレンスという名が歴史の華やかな挿話として砂漠に埋もれてしまうことに
なるように思いました

かれはそういう死を望んだかのような戦闘の連続だったので
それも彼らしくていいかもしれませんね

最近あまり聞かない彼の本に出会い暑さしのぎになりました

放送大学のパレスチナ問題ではふれていないので、こういう生きたアラブ人との
交流や個人としての政治との葛藤などの内面に触れられてよかったです

音楽は冷気を誘う鎮めるようなのが浮かびます



Erik Satie: Gymnopédie No. 1







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# by yokohama-izumi-lc | 2018-07-16 04:28 | 読書・植物・他 | Trackback | Comments(0)

HJ Limの平均律を初めて聴いて

最近、バッハの平均律クラヴィーア曲集の一番最初のプレリュードハ長調
あの有名なメロデイをなんとか弾けるようになったんですが、
蒸し暑くて寝られないので
YouTubeにアップされてる有名無名を問わずいろんな方の演奏を聴いていたら
突然ぶっ飛ぶような演奏に出会いました

HJ Lim



なにこれ!
同じ楽譜から、全然違う風景が広がってきますね
グールドの衝撃も消し飛ぶような新鮮さを感じます

こういうの大好きなので夢中で聞いてるうちに夢の中・・
落ち着いて聞いたら果たしてどうかなとまた楽しみです

さっそくネットで調べたらもう大変な話題だったんですね
4年ぐらい遅れてました

少しネットで情報を調べたらやはりいろんな反応が
面白いですね

こちらはベートーヴェンのコンサート評ですがロック(笑)だったようですね

こちらは音楽事務所なのかな
彼女の名は、HJリム。韓国生まれ、現在はスイスに暮らす26歳。
(のだめも通った)パリ国立高等音楽院主席卒業。
はじまりは、コンセルヴァトワール在学中にyoutubeにアップした動画。世界中のインターネット・クラシック・マニアたちを騒然とさせ、忽ち50万件のアクセスに達しました


中毒患者急増中だそうですが、その後世間は落ち着いたのかな?


コンクールでスターダムというのではなく
YouTubeにアップしたら・・・というのも今風でかっこいい

聴いてるうちにバッハの音楽の奥行きの深さにやはり行きつきますね
平均律というと、厳密に調律された、それゆえにある限定的な音階をイメージしますが、

原題の意味は

原題の"wohltemperiert(e)"とは、鍵盤楽器があらゆる調で演奏可能となるよう「良く調整された(well-tempered)」という意味であると考えられ、必ずしも平均律を意味するわけではないが、
和訳は「平均律」が広く用いられている


あらゆる調で演奏可能な・・

素材は提供しますが味付けはお好みでいいんですよという気が彼女の
演奏を聴いていて感じました

何かから解放されるようで、その自由さが涼風のようです







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# by yokohama-izumi-lc | 2018-07-13 05:13 | 美術・コンサート・映画 | Trackback | Comments(0)

使途の行動10章28節

ポーチュラカは色とりどりで綺麗ですね
夏を長く彩るしグランドカバーにもなります
そこに目をつけて今年初めて植えてみました
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5株植えたんですが、全部ホワイト
カラフルを想定してましたが、こういうこともあるんですね
涼しげでいいかなと思っています
みるまに土が隠れてくれたので雑草よけになりますね

名前が可愛いですよね

Portulaca(ポーチュラカ)は、
 ラテン語の
 「porta(入口)」の縮小形の
 「portula」が語源。
 ”小さな扉”の意味。
 熟した実が裂け開くようすから。

 また、同じくラテン語の
 「port(有する)+ lac(乳)」
 の合成語で
 ”乳液”を意味する、
 とする説もある。」うちのポーチュラカは「乳液」説を支持してます(笑)さてたくさんの人も集まっている中ペトロスの挨拶は・・ ἔφη τε πρὸς αὐτούς, ὑμεῖς ἐπίστασθε ὡς ἀθέμιτόν ἐστιν
ἀνδρὶ ἰουδαίῳ κολλᾶσθαι ἢ προσέρχεσθαι ἀλλοφύλῳ·
κἀμοὶ ὁ θεὸς ἔδειξεν μηδένα κοινὸν
ἀκάθαρτον λέγειν ἄνθρωπον·

口語訳

ペテロは彼らに言った、「あなたがたが知っているとおり、
ユダヤ人が他国の人交際したり、出入りしたりすることは、禁じられています
ところが、神は、どんな人間をも清くないとか、
汚れているとか言ってはならないと、わたしにお示しになりました。



新共同訳

彼らに言った。「あなたがたもご存じのとおり、
ユダヤ人が外国人と交際したり、外国人を訪問したりすることは、律法で禁じられています。
けれども、神はわたしに、どんな人をも清くない者とか、
汚れている者とか言ってはならないと、お示しになりました。


ἐπίσταμαι 
エピスタマイ 理解する わかる
 まずは共通理解から入りますね異邦人であるローマ人と接触するのが相互に大変なことがわかりますが、このあたりがまた皮膚感覚でわからないところです

ἀθέμιστος アセミストス セミスが法律 慣習
そこから違法の 禁制の

ローマ人は有名な法律民族
ユダヤ人にも律法があります

ノモスと言わないでアセミストスとわざわざ言ったのも相手との共通理解にたちたいからでしょうね
新共同訳では「律法」としていますが・・

ユダヤ人が正す番ということでしょう

κολλάω コラオー 親しい交わりに入る 愛着する くっつく

ἀκάθαρτος アカサルトス 不浄な 汚れた

ローマ法のような合理的な法的構成ではなく「神」からあたえられた律法という枠組みがあると、
その新解釈は新しい判例ができないと更新されませんよね

あの天から降りてきた四隅いっぱいの生き物たちを汚れているといって
拒絶したペトロスは伝統に忠実だっただけ

ローマ法との親和性を強調しているという編集も感じられますが、
アンスローポス「人」一般という普遍性は案外難しいものだと思います








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# by yokohama-izumi-lc | 2018-07-09 08:07 | 聖書を原語で考える | Trackback | Comments(0)

使途の行動10章27節

ホノルル星条旗新聞社の真珠湾攻撃の新聞を貸してくれた方がいたので
これは珍しいなとざっと読んでみました
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特に興味深いところが、イン・ピースフル・サバス・イン・カームというところ・・
「平和で静粛な安息日に」というところでしょうか

旧約聖書でもユダヤ人の安息日の習慣を知っていてわざと安心しているところを
攻撃してくる「異教徒」のことがでてくる記憶がありますが、
神国からすればそのあたりも計算したのか、そうしむけたのか、虚々実々は別にして
結果として宗教の要素が入りこむと問題解決が難しいなと感じました

この新聞の裏を見ると
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こうしていつまでも忘れないようにということなんでしょうね
当時の新聞のインパクトはやはり大きいですね
報道のスタンスと現在の理解との間の関係も歴史を感じます
いろんな見方はあってもこうして思わず手に取りたくなる「新聞」の手法が面白いと思いました

さて

ペトロスとコルネーリオスは挨拶を交わしたあと・・・

καὶ συνομιλῶν αὐτῶ εἰσῆλθεν, καὶ εὑρίσκει συνεληλυθότας πολλούς,

口語訳
それから共に話しながら、へやにはいって行くと、
そこには、すでに大ぜいの人が集まっていた

新共同訳
そして、話しながら家に入ってみると、大勢の人が集まっていたので、



カイを「それから」という訳し方が一つの間があっていいかと思います
跪いたコルネーリオスを引き上げてから重要な挨拶を交わしたわけですから

συνομιλέω シュノミレオー 語り合う 交わる 交際する

あのシンガポールでのトランプ会談とは違って、親しく腹をわった語り合い・・
字義通り「共に話しながら」がいいと思います

συνέρχομαι シュネルコマイ 完了分詞男性対格
集まる 会合する

共にの「シュン」と多くの「ポリュス」で大歓迎
もちろん期待感がとても伝わりますね








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# by yokohama-izumi-lc | 2018-07-08 16:25 | 聖書を原語で考える | Trackback | Comments(0)

縄文~東京国立博物館

国宝を中心に縄文をみてきました


6点がそろうのは7月末からなんですね
今回はそのうち4点

重要文化財や、周辺の出土品も充実していて、同時代の世界の陶器などとの比較もあり、
あとは、実際の集落の様子のモデルでもあればタイムスリップできるかなと思いました

こういう土器をみるのはほとんど初めて
やはり大きさ、質感など360度で見てみるべきですね

歴史的知識はあとまわしにして、とにかく見た実感を・・
e0341228_03351338.jpg
国宝 火焔型土器 新潟県笹山遺跡

キャプションみて驚いたのですが国宝の多くは平成になってからの「出土」
ええっ!と目を疑いました
作品リストをみても記載してないし、考古学ではここが大切だと思うんですが・・
サイトに肝心の記載がないので正確に記憶してませんがとにかく驚きました
もちろん国宝選定は平成がほとんど

会場にはこういう火焔型がずらりと展示されてましたので、
あの有名な「芸術は爆発だ」の岡本太郎さんが見たのはこの国宝ではないんだろうと思います

そういうイメージがあったんですが実際の印象はとっても静的
落ち着いていて品格と繊細さとナイーヴささえ感じました

むしろ団欒をかこむ明かりに照らし出される縄文家族や一族の姿
その日の収穫や平安に過ごせた感謝のような想いが造形に込められてるように感じました

どこかスタイリッシュでソフィスティケートという感じ

その意味でこれには本当に驚きました

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国宝 縄文の女神 山形県西の前遺跡
別の画像でも

360度・・特に真横のラインが素晴らしいです
そして後ろの背中のすべらかな広がり
ヒップラインの美的センス
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そして改めて前から見ると、そのおみ足のなんとモダンなこと!

上半身と下半身の絶妙なバランス
真横の適度な凹凸

腹部の抑えたふくらみや胸や髪形など必要最小限で
最大限のイメージが膨らみます

別の国宝で7月末から出品される「縄文のビーナス」とは違うんですね
サイトで画像を見てみましたが、典型的な豊穣の女神

こちらは天から舞い降りてきたかのような神的さがありました
なんと最大の高さの土偶だそうです

土偶というジャンルでくくると矮小化される気がします
ルーブル級世界の至宝ではないかと思いました

装身具のこのデザインも素晴らしいので
e0341228_03545449.jpg

重要文化財 調布市下布田遺跡

イメージ画像がありましたが、花を愛する素朴な感情
自然と一体となった優しさを感じます

そういう謙虚さが感じられるのが
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国宝 合掌土偶
八戸市風張1遺跡

膝を立ててる姿勢が、とっても自然ですよね
いわゆる宗教くささがなく、祈るという自然な心を感じます

造られた当時から修復されて大切にされたあとがあるというキャプションの解説に納得

伎楽面のような顔がこれまた面白い
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重要文化財 ハート形土器 吾妻町郷原出土

あの火焔型土器にも横からとっての隙間をみるとハートっぽい曲線がありました
現代の絵文字そのものですよね

左右対称の極致でしょうか・・

ゴーグル型の大きな目なども
瞳のもつ力を神秘的に感じましたが、決していたずらに宗教的ではないんですよね
どこまでも身近な感じがしました

北海道も含めて全国的文化としての縄文
集落単位で自然のなかで許される範囲で生活していたんでしょうか?
争いに関係するような武具などがみあたりません

怖いのはイノシシ(笑)だったようです
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# by yokohama-izumi-lc | 2018-07-05 04:29 | 美術・コンサート・映画 | Trackback | Comments(0)



原語から見えて来る聖書のあれこれ素人雑感・・
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