原語から見える聖書のイメージ

ジークムント・フロイト「モーセと一神教」雑感1.

フィンケルシュタイン/シルーバーマンの「発掘された聖書」の影響が大きいのですが
最新考古学の事実と「聖書」との関係がずっと興味の焦点となっています

発掘によって裏付けられない「事実」なら、聖書の読み方も当然変わりますよね
「聖書のみ」という信仰で読むのは自由ですが、ガリレオではないですが、
それでも地球は回るという事態が生じたときに、「宗教」は原理主義的にならざるを得ません

そういう宗教は本来的ではないなと常に感じています
という意味で最近「聖書」という書名にも抵抗を感じていて
客観的に古代文書として背景を吟味しながらその推理を楽しむという方向に変化しています

そんなときにピッタリな本に出合いました!
モーセと一神教」ジークムント・フロイト ちくま学芸文庫
古書店でまとめ買いしたときに何げなく選んだんですが昨日から読み始めたら
目からうろこ!!

面白すぎてあとでまとめて雑感というのも無理だし
少しずつ読んだところから備忘録がわりにアップします

あらためてフロイトの執筆の頃ををwikiでみたらナチの迫害にあって悲惨ですね

書かれた前後の状況は

・・6月4日にウィーンを発ち、パリを経由して6月6日にロンドンに到着すると熱狂的な歓迎を受けた。フロイトは亡命先の家に落ち着くと、ハイル・ヒトラーと叫びたいくらいだ、
と冗談を言えるほどに回復した。やがてウェルズやマリノフスキーサルバドール・ダリ
らが次々に訪問した。フロイトは亡命先でも毎日4人の患者の分析治療をし、
ユダヤ人はなぜ迫害されるかを改めて問い直した『モーセと一神教』を発表した。・・・

亡命できなかった妹さんは、上の記述の前にこう記されてました

それでも残して来ざるをえなかった4人の妹たちは数年後に収容所で焼き殺されてしまった。


ユダヤ人のマーラーもフロイトに診断してもらったし、
ユダヤ人のシェーンベルクもオペラ「モーセとアロン」を残してますね

この時代だからこそ、モーセとは誰なのか、ユダヤ人とは何かという問いは根源的で
深い淵からの叫びでもあったんでしょうね

その深い淵に訳者もそうとう慎重で「まえがき」からして面白いです

・・フロイトを語る人はモーセに言及しない。
モーセを論じる人はフロイトを一顧だにしない。
聖書研究家がフロイトを無視するのは仕方がないことかもしれない。
宗教的な人々には妄説と思われても不思議でない事柄が書かれているのだから・・

古代神話など精神分析を通さなければ本質が見えてこないですよね
考古学的事実から検証どころか反証があるようでは、
その裏があるという推理を働かせないと危ないと思います

というわけで最初の見出し1.
「モーセ、ひとりのエジプト人」

モーセという名前のヘブライ語の分析や状況から、フロイトはエジプト語に由来すると・・
お得意の神話的定型からモーセはユダヤ人ではなく「エジプト人」だとすると

「その場合、大変に興味深くかつ広大なパースペクティヴが現れるからである」

「モーセがいつの時代に生存していたか、そして、エジプト脱出がいつ起こったか、
という点についての客観てき証拠があれば、われわれの欲求は満たされるであろう。
しかしこのような証拠はなかった。」

執筆とうじの考古学からでももう知られてたんですね

むしろ、そこから推理が働くので面白いと思います









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by yokohama-izumi-lc | 2018-07-19 04:59 | 読書・植物・他 | Trackback | Comments(0)
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